5月 31日, 2024年

先日のお香会 源氏香のお話

Genji Incense at the incense ceremony

こんにちは。悠々庵の吉田です。

いかがお過ごしでしょうか。


前橋は梅雨入り前の心地よい毎日です。

公園や庭先で薔薇や芍薬、シャクナゲが満開を迎えています。

梅雨になったらちょっとうっとうしいけれど

紫陽花は雨粒が友達ですね。それも美しい姿です。

 

先週末は、お稽古に通っている

お家流香道 公香会(きんこうかい)の源氏香会でした。

 

会場は、前橋の近代和風木造建築の臨江閣(りんこうかく)。

国の重要文化財だけあって、多くの皇族が滞在した大変趣のある迎賓館です。

 

藤井風さんの「まつり」のMVにも多くのシーンがここで撮影されています。

ちなみに悠々庵の紹介動画もここで撮影しました。

お庭はちょうどサツキツツジが満開でした。

会場には十二単の展示、お琴の美しい音色の生演奏、源氏物語の現代詩訳なども併設しており、

ご来場者様がお香席以外でも楽しんでいただけるような様々な工夫がされていました。

 

なにより香道具がとても美しいです。

ご来場のお客様案内をしながら、私も十分楽しめました。先生方に感謝です。



それにしても…

 

1枚の着物を着るのも大変なのに、いくら美しいとはいえ12枚ってマジですか? とツッコみたくなります。

貴族は体力があったのかしら?きっと重くて動けないはず…と現実的なことを考えてしまいました。

 

今回のテーマは、今年の大河ドラマでも脚光を浴びている「源氏物語」からの「源氏香」でした。

 

源氏香は、5つの違う香木(例えば伽羅・沈香3種・白檀1種など)が

それぞれ5包ずつ用意され(合計25個)

その中から無作為に選ばれた5包が、聞香炉で温められて回ってきます。

右手で香炉の上を包むようにして、香りをためて聞きます。

答えを書くときは、

着物の柄とかによく使われている源氏香之図で書き表します。

 まず、縦線を5本引き、右から1、2、として同じ香りのするものを横線で結びます。

 

52通りの答えがあるそうで、それを源氏物語になぞらえ

(最初の桐壷と最後の夢浮橋を省いて52帖)

各帖の名前が付けられています。

夕顔・若紫・蛍・須磨・浮舟・夕霧…

 なんとも優美な世界ですね。

一日お香席にいると、自分まで優雅になってきた気分になりますが

 お客様がお帰りになり、ご宗家を見送った後はすぐさま撤去作業開始です。

ここからが私の本番と言えるでしょう(笑)

 

姉弟子たちと力を合わせ、椅子や敷物など手際よく片付けて

1時間後には無事作業終了。

 

明るいうちにお開きとなりました。

新弟子の私も、素晴らしい体験をさせていただきました。

   

この日は着替えを忘れ、着物のまま動き回り暑くなったので

帰りは迷わずビールを飲みに。

 

お料理が来る前に、つい2杯ほどいってしまい

優雅な私から、いつもの自分に戻ったことを確認しました!(笑)

  

今日も心地よい夕暮れです。

早く帰れる方は、帰り道に夕日を眺めてみてはいかがでしょうか。