10月 21日, 2026年

値上げラッシュと熊野大社

熊野本宮大社があった場所に立つ大鳥居

悠々庵の吉田です。
いかがお過ごしでしょうか。 

長雨もいつからか秋晴れに変わりましたね。
黄金色の稲の波、山裾に広がる真っ白い小さなそばの花、庭先のオレンジ色の柿など
素朴な色合いが田舎の風景を彩っています。
きっと百年以上も同じ風景なのでしょう、今年も美しい秋です。

蕎麦畑

今日は「ぼやき」から入ります、すみません・・・。
カタログを刷新したばかりですが
昨年から始まった資材の値上げラッシュがいまだに来ております。
世の中的にも厳しいニュースが多いですね。
でも、新しいカタログを作ったばかりです😢
当面は値上げしないで頑張るつもりです!
どうぞよろしくお願いいたします。

さて、先日は私が師事しております、香道御家流のご宗家が行う「御献香式」に
今年も参加してきました。毎度ながらトランクには体育着を忍ばせております。

御献香式に参加する吉田可南子

伊勢神宮の内宮正式参拝のあと、神楽殿でお祓い、その後ご宗家が献香され、神職の祝詞・雅楽調べと共に
清和天皇の御代から、宮中儀式として雅な舞が奉納される、神聖な空気が漂う儀式です。

 

私は新参者ですので、諸先輩方についていくだけですが、
日常仕事として扱っている「お香」を、神聖なものとして見詰め直すことが出来る、大変貴重な行事です。
吉創庵は「商い」「生業」としてのお香会社ではありますが
毎回「貴重で神聖なものをお客様に届けているんだ」と初心に戻ることが出来ます。

式典の後は、また違う意味での聖地、昨年同様熊野古道を目指して、レンタカーで移動、運転すること約2時間、翌日からの熊野古道巡りのベースとなる新宮市に到着しました。

昨年初めて熊野古道を訪れた時は、一番王道の「中辺路ルート」を逆から周りました。
2日間かけて、徒歩・ジョグ、一部バスで約40kmの道のりを踏破。
道中、すれ違うのは9割海外の方でしたが、みんなスタンプ帳みたいなものを持っています。
それは「二つの道の巡礼者(共通巡礼)」になるための手帖でした。
二つの道の巡礼者とは、「熊野古道」とスペインにある「サンティアゴ・デ・コンポステーラの道」の二つの道の決められたルートの巡礼を達成した人のことを指します。

そのためには、それぞれの道中に設置されているスタンプを集め、歩いた道のりを記録していきます。
いつスペインに行けるか全くわからないけれど、まずは決められたルートで熊野古道を巡礼しよう、
ということで今年はこのスタンプ帳「共通巡礼手帳(Dual Pilgrim Credential)」を入手しました。

共通巡礼手帳を持つ吉田可南子

熊野古道の回り方は5つのルートから選べます。去年の中辺路ルートもその一つでしたが、今回は、熊野古道の一部を歩くと共に、熊野本宮大社、熊野那智大社、熊野速玉大社の3大社を(交通手段の利用可)すべて回るルートを取り、無理のないペースで、日曜の夜には無事前橋に帰ることが出来ました。

熊野本宮大社

熊野本宮大社。とてつもなく大きく、そこにいるだけで清々しい気持ちになりました。
神仏習合(神様も仏様も一緒に信仰)です。大らかな印象です。

熊野本宮大社があった場所に立つ大鳥居

洪水前、もともと熊野本宮大社があった場所に立つ大鳥居。
鳥居の真ん中には侍ジャパンのシンボルの「ヤタガラス」が輝いていました。 

地元の方に勧められた神倉神社にも立ち寄りました。
「神倉神社は熊野信仰の原点なんですよ」と教えていただきました。

神倉神社の石段 神倉神社の石段

それにしても、この石段・・・。石段があるだけでも本当に有難いけれど、見た目通りの不揃い、年月経ってるから滑るし、角度もすごくて、私は足だけではなく、手も使って階段を上がりました!(笑)

神倉神社は、熊野の神々が最初に降臨したと伝えられる、熊野信仰発祥の聖地です。
御神体は、山上にそびえる巨大な岩『ゴトビキ岩』。熊野地方の方言でヒキガエルという意味らしいです。
古代の人々がこの大きな石に神の存在を感じ、祈りを捧げてきた場所です。
その後、熊野の神々は現在の熊野速玉大社へと遷られたと伝えられています。 

確かに蛙っぽい形をしていました。石段は全部で538段だそうですが、怖くて途中で分からなくなりました。 

翌日は少し余裕のあるスケジュールで、構図も考えて写真を撮りました。

青岸渡寺の三重塔

まるで絵葉書のように美しい風景。ここは滝や山を神聖なものとする自然信仰(那智の滝)と、
仏教の信仰(青岸渡寺の三重塔)が重なり合ってきた熊野の歴史を、ひと目で感じられる場所でした。

那智の滝

とてもとても大きな那智の滝。
階段を下り近づいていくと「ごうごう」と水が落ちる音が聞こえてきます。
途中、可愛い小鹿に出会えたりして、ほっこり心が緩みました。 

今日の一首

このからだ 熊野の森に浸したら たっぷり吸って元にはもどれぬ

いろいろあるけれど、たくさんあるけれど
きっと昔の人も悩んで、自分なりに答えを出しながら生きてきたんだと思う、今回の小さな旅でした。 

心の中に、いつも熊野古道を置いておこう、と思います。

お香 着物 秋 香道