6月 17日, 2026年

香りに耳を澄ます ― 源氏香のひととき

香りに耳を澄ます ― 源氏香のひととき

桜の季節は行き、この地域では水芭蕉が盛りを迎えた頃
私が師事している香道の公香会では「源氏香」のお稽古が行われました。

香道とは華道・茶道と並ぶ日本の伝統芸道で、香木の香りを聞き、その奥深い世界を楽しむもの。その香道の代表的な組香のひとつに源氏香があります。

水芭蕉

香炉が客人(今回は教室なので生徒さん)に回る前から、それは始まります。

香元(こうもと:聞香会で香木を準備し、参加者に香りを回す進行役)が行うお作法には一切の無駄はありません。
所作ひとつひとつに意味があり、千年もの間大切に育まれてきたその姿は、大変洗練されています。

和気あいあいとしたお教室でも、おのずとおしゃべりはなくなり、しんとした空間の中温まった香木がほのかに香り出します。

 香元

香元の手元の様子

源氏香で使われる香炉

源氏香は5つの違う香りを5包ずつ用意し、合計25包をシャッフルしてから5つランダムに選びます。

それなので、5つの香炉が回ってきます。全部同じ香木の場合も、あるいは全て違う香木の場合もあります。

聞香の様子

聞香している様子

「同じ香り」どうしを横棒でつなぎ、独特の図柄「源氏香の図」で答えを書きます。縦棒と横棒だけで香りの異同を表現します。

図柄は52種類あり、それぞれに源氏物語の帖名が割り当てられています。
例えば「夕顔」「若紫」「初音」などです。

源氏香之記

全問正解者はおりませんでした。

私もまだ、全問正解をしたことはありません。

いつかは聞き分けることが出来る、と信じてお稽古は続けていきます。

 


 

源氏香では、香木のわずかな香りの違いに耳を澄ませながら、その奥深い魅力を味わいます。
香道のように香木そのものを聞く機会は限られますが、お線香を通して香木の香りに親しむこともできます。

白檀や沈香など、香道でも親しまれてきた香りを、日々の暮らしの中でお楽しみください。

天然香木のお線香